国内&現場で学んだ私がおすすめする英語コーチングスクール3社

ビジネス英語(営業編) OEM販売契約における製品保証の取り決め交渉でよくある争点

OEMとは「Original equipment manufacturing」の略で、英語を直訳すると「自社製品を製造する会社」になります。

しかしどういうわけか使われ方としては英語の原義と離れて「相手先ブランドで製造する会社や事業」を意味します。

例えば「OEM先・OEM会社」というのは自社視点で「自社ブランドの製品を作ってもらっている協力企業」のことを意味しています。

本文ではOEM販売契約の製品保証でよくある争点を紹介します。

関連記事
交渉で譲歩させる気にさせるには

OEM販売契約とは

そもそもOEM販売契約とは何か最初に説明します。

OEM販売契約とは「自分たちが企画した製品を他社に作ってもらうときの取り決め」です。一般的にOEMを依頼するA社を買い手(buyer)とし、依頼先のB社を売り手(Seller)とします。

A社は製品を作ってもらいますが、ただで作ってもらうわけではなく、自分たちが企画したものをB社に製造してもらうときに代金を支払っています。よってビジネスとしては製品の買い手なのでBuyerになります。

逆にB社は自分たちではあまり頭を使わずに製造だけを行います。利益は薄いですが依頼された発注分をとにかく期日通りに作ってA社に売るので売り手(Seller)になります。

OEM販売契約とはA社から見れば「自分たちが企画した製品をきっちりB社に作ってもらうときの取り決め」でありB社からみれば「A社に依頼された製品の仕様を明確にして余計な仕事を増やさない取り決め」になります。

こんな記事も読まれています
交渉では発音より声の大きさが重要

OEM販売契約の取り決め交渉でよくある争点は「製品保証」

依頼主(Buyer)の主張

例えばあなたがOEM会社にメロンパンの製造を依頼するとしましょう。その時に争点になるのはメロンパンの製品保証をどう決めるかです。

依頼主(Buyer)のあなたが主張するべき点は概ね以下のようになります。

・メロンパンのレシピ通りの製造方法とレシピ通りの材料をきちんと使っていることに加えて、レシピ自体に不良が無いことを保証してもらうこと。

・メロンパンのレシピには完成後のメロンパンの形や材料のクオリティに関してなるべく多くの約束した数値を盛り込み、未達成であればそのメロンパンは不良品扱い(保証違反)とすること。

・保証の期間はOEM先メロンパンを検収してから(買ってから)2週間とすること。

これを英文の契約書風にすると下記のような英文になります。

For a period of two (2) weeks from Buyer’s acceptance date, Seller warrants that Melon Shaped Bread supplied as well as all ingredients integrated into Melon Shaped Bread shall (a) be free from either patent or latent defects in ingredients, recipe, and workmanship, (b) be of the kind and quality described in any recipes and individual contract and  (c) meet all quality guarantees set forth in individual contract.

 

買い主の検収から2週間、売り主はメロンパンに含まれるすべての材料、および供給されるメロンパンに、(a)材料、レシピ、製造の明らかなまたは隠れた欠陥がないこと、(b)こべつの契約やレシピに記載された性質及び品質であること、及び(c)個別契約に記載されたすべての品質保証を満たすことを保証する。

契約書の単語
・warrant 〜 「〜を保証する」
・shall be free from 〜「〜が無い」
・patent or latent defects 〜「明らかなまたは隠れた欠陥」

OEM会社(Seller)の主張

それに対してよくあるOEM会社(メロンパンを作る会社)の主張は下記になります。

・供給するメロンパンの製造や材料が変なものでないこと(法律用語では瑕疵や不良)は保証する

・供給するメロンパンがレシピ通りに作られたものであることは保証する

・ただしレシピについての保証はしない。

・保証期間は納入から三日間(72時間)

これを英文の契約書風にすると下記のような英文になります。

Seller warrants to Buyer only that for a period of three (3) days from Seller’s invoice date in the case of new Melon Shaped Bread, such Melon Shaped Bread(a)will be free from defects in ingredients and workmanship under normal and proper use,(b)will comply with the Recipes (Exhibit A) in all ingredients respect.

 

売り主は新品の場合には請求日から3日間、かかるメロンパンは(a)通常及び適切な使用の下で材料及び製造に瑕疵の無いこと及び(b)レシピ(添付A)に合致していることを保証する。

契約書の単語
・Exhibit A 「添付書類A」。「Exhibit」以外にも「Appendix」「Attachment」「Addendum」も同様の意味。

交渉ポイントは「レシピ(設計)自体の保証」と「製品の保証期間」

メロンパンなので作り方のレシピと表現しましたが、例えばこれがスマホなら「設計」ということです。「設計」をどちらが保証するかはよく争点になるポイントです。

製造会社(Seller)からすれば「レシピは依頼するbuyerできちんと管理して準備して下さい」と思うのは当然ですし、概ねその主張が有利に働きます。

ただし一度両者で決めたメロンパンに使う材料の内容(砂糖とか小麦粉)や製造方法(何をどのくらい寝かすか、焼く時間の設定や温度の設定)についてはOEM先(Seller)は遵守しないといけません。

このようにして英文契約の場面では双方の主張を提示してしすり合わせを行っていきます。

妥協点

想定される営業的な落とし所は下記になります。レシピについては売り主が有利な内容であり、保証期間については買い主が有利な内容です。

・供給するメロンパンの製造や材料に不良がないことレシピ通りに作られたものであることは保証するがレシピ自体についての保証はしない

・保証期間は納入から2週間

この内容を英文契約の文章にすると次のようになります。

Seller hereby represents and warrants that the Melon Shaped Breads shall meet in all ingredient respects the reciepes as set forth in Exhibit A, and be free from ingredient defects in workmanship and ingredients for two (2) weeks from the date of the acceptance of such Melon Shaped Breads.

 

売り主は製品の検収日から2週間、添付Aに記載されるレシピに実質的なすべての面で合致していること及び材料及び製造について不良のないことを保証する。

このような内容で決着した場合でも、今度はレシピ(設計)の内容で揉めることが想定されますので、正確で明瞭なレシピを作ることがポイントになってきます。